夢デアエタラ
【現夢六回目ー13】


カラッカラのガス欠。




先ほど
明かりを灯した時に、

ライターのガスは
切れてしまったのだ。




クソ………



クソ!クソ!!!!!




俺は、
このまま麗花を守れずに
終わっちまうのか…?




また
あの時みたいに、
目の前で麗花を失う…?




昔の事故の記憶が
螢の脳裏によぎった。




マタ……

アノトキミタイニ………




「うおおおおおおお!!!!!!!!!!!」




螢は大声で、
まるで叫ぶかのように
雄叫びを上げた。




グサ!!!!




何を思ったのか、
自分の腕をナイフで
傷つけ始めた。




「ちょっと!!!

アンタ
何してんのよ!!!?」




気でも狂ったのかと
思うくらい
異様な光景。




ボタボタ…




すぐに足元は、
螢の血でいっぱいになった。




「グ……

後は……」




次に螢は
自分の顔面を
殴り始めた。




正気じゃない……


狂った螢を見て、
逆にアスマは冷静に
なっていた。




「オオオォォォ!!

起きろ―――!!

起きろクソ野郎!!」




何度も叫び、
螢は自力で
目を覚まそうとした。




どうやら殴ってたのは
起きる為の
行動だったようだ。




しかし、
夢に入って
時間も経っている
ワケでもない。




今、
この夢から目覚めるのは

不可能であった。




…!!




何かを思いついた螢は、
今度はナイフで
自分の瞼を切った。




さすがのアスマも
それを見て止めに入る。




「もう止めなよ!
そんな事!!!」




止めに入るアスマの手を
螢は払いのけた。




「いいから、黙ってろ」




螢はボウっと立ち尽くし
何かを待っていた。




すると…
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