夢デアエタラ
【現夢最終夢ー3】



プスプス………







黒焦げた匂いが
たちこめる中

螢はゆっくり
後ろを振り向いた。






「大丈夫か?」







アスマに手を伸ばすも、
彼女はまだ震えていた。







「アハハ……

ゴ、ゴメン…

まだ立てないみたい」







腰が抜けきって
全く立つことが
できなくなっていた。







「ホラ、
私のことよりも

早くあの子を…」







アスマは
遠くで未だ
縛られている女の子を
指差した。







「……そうか。

行ってくるよ……」






螢は1人、
女の子のところまで
走って行った。







だが、
この時から
すでに分かっていた……







その子のことを……






螢は今にも倒れそうな
丸太を後ろに引き、
縛られていた
手足のロープを
ほどいてあげた。







そして
無事助け出すと、

女の子は自分の手で
目隠しを取り外した…
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