夢デアエタラ
【螢ー13】



「何年ぶりだろな~
相変わらず
ケンカ三昧か?」







どうやら
螢は中学の頃から
ケンカをしていたと
和也の口振りから分かる







しかし、
今と違うのは

中学の同級生は
誰一人螢に対して
恐怖を抱いていないのだ







寧ろ、
ケンカも強く
頭もそこそこ良かった為

女性からの人気が
高かった。







明彦は
螢の高校を見上げて
呟いた。







「…にしてもいつ見ても
スゲエなこの高校…

金かけてんな」







そう…
この校舎は
新しく建て直して
まだ間もない学校で
あった。







そんな立派な学校を
和也と明彦はいつも
自分の高校の
通学路の途中で
見上げていた。







「この学校の暮らしは
どうだ螢?

教えてくれよ!」







明彦の質問に
螢はダルそうに答えた。






「こんなとこ
特に何もないぜ。

違う奴に聞いてみろよ」







「他にいないから
聞いてるんだろ?

この高校は私立だから
金かかるしな」







明彦の言う通り、
中学の同級生は

螢以外
誰もこの高校に
進学しなかった。







それはやはり
私立なので金がかかる上

それなりにレベルも高い
高校なので、

行く人もいないのだ
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