夢デアエタラ
【螢ー16】


しかし、
そんな災難も

今の螢には
調度良かった。








「へ…」







螢が軽くほくそ笑んだ後

その男は一瞬にして
宙を舞った。







「テメエ!!!」







その合図を皮切りに
後ろにいた仲間達が
螢に対し
怒りを露わにし、

次々と飛びかかってきた







当然である。

先に手を出したのは
螢の方だから







しかし、
遅かれ早かれ
ケンカになることは
分かっていた。







そんな
大人数相手のケンカにも
関わらず、

螢は逃げもせず
闘争心を
燃やし続けていた。







バキ!!
バキ!!







無我夢中で、
まるで
何かを振り払うように
拳を振るう螢。







その顔は、
怒りとも悲しみとも
言えぬ、

言葉では言い表せれぬ
表情をしていた

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