夢デアエタラ

【螢ー３】


そんな誰も近付けない
不良達の固まりに

１人男が近付いてゆく







「来たな……」







三年のその言葉に、
下っ端の男は後ろを
振り返る。







そこには
螢と呼ばれる男が

鋭い目つきで立っていた







身長は若干高いものの、
そこまでゴツくない
顔立ち。







噂で聞く、
ケンカ好きと言うより、
スポーツを
やっていそうな
爽やかな雰囲気である。







だが、
その目だけは異様に
ギラついており、

見るもの全てを
ゾッとさせた。







それもそうだ、
これだけの人数相手に

怯むことなく殺気立てて
いるのだから。







すると、
その螢と呼ばれる男は

不思議な質問を
投げ掛けてきた。








「…お前ら、
妹はいるか？」