夢デアエタラ
【夢の実ー19】


一体何だったの
だろうか?







螢は
辺りをキョロキョロ
見渡しながら呟いた。







「クソ……
逃げ足の早い…」






あっと言う間に
老人は姿を消し、

手元に残ったのは
怪しい果実ただ一つ。







こんな
毒でもありそうな物
誰が食うか。






このまま捨てちまえ…






そう思ったが、
ここはいつも通る
綺麗な山道。




麗花のいるとこは
なるべく汚したくない。







(帰りの街中で
捨てるか…)






そう思い、
螢は老人から受け取った
果実片手に、
街に降りていった

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