夢デアエタラ

【夢の実ー２２】


部屋に入るなり
着ている上着も脱がずに
そのままベットに
横たわる。







これ、
螢の眠る時のクセであり

いつもそのままの格好で
眠ることが多い。







起きてからまた
着替えるので、

相当な面倒くさがり屋の
ようである。







気付いた頃には
すでに螢はスースーと
寝息を立て、

夢の世界に行って
しまった。







それと同時くらいか、

朝から
出掛けていた母親が
帰ってきたようである。







「あ～疲れたわ！
ヨイショっと！」







年配の人の口癖である
かけ声を入れて、

持っていた荷物を玄関に
下ろした。







今日は
スーパーの特売日で
朝早くから
買い物をしていた
螢の母は

大量の食料を
買い込んでいた。







「さてと…」







家族に美味しいものを
作ろうと力込み、

台所に食材を並べた