夢デアエタラ

【螢ー５】


「う…う………」







不良達の
楽しい制裁タイムは
５分程で終わった。






その内の１人が
一言漏らした。








「二年坊のくせに…
なめやがってな…」







…と言いつつ、
その場にドサッと倒れた







見れば、
倒れているのは
三年の不良達であり、

螢と呼ばれる男は
その場に
仁王立ちしていた。







「ヒ、ヒイ！」







ただ一人、
下っ端の男だけは

ほぼ無傷で、
腰を抜かしていた。






怖がるのも無理はない。


あれだけいた三年達が
一緒の内に
倒されたのだから。






しかも、
その全員の顔が
ボコボコにされ、

中には口が切れて
血を出している者もいた







そんな恐ろしげな男が
ゆっくりと
下っ端に近付いてきた。







未だに、
その殺意の目は
ギラついている。








「う、うわああ！」






…と体を丸めて
縮こまるものの、

何もしてくる気配はない







すると…







「……お前は
妹いるんだな？

…なら怪我させられ
ねえな…」







そう一言言い。

そのまま
去ってしまった…








そんな不可解な言動に

下っ端はポカンと
ただ見送るしかなかった