夢デアエタラ
【現夢ー4】


似ている……




いや、
似ているどころではない







意識を失い
目はつぶっているものの

体の大きさ・雰囲気・髪の長さ


目元のほくろの位置まで
同じ。



全く踝麗花
そのものである。







ここでやっと螢は、
自分が
夢を見ているのだと
気付いた。







ほっぺをつねっても
痛くないのも
確認したので、

改めて夢だと
確信したのだ。







普段なら夢と気付けば、
馬鹿らしくて
傍観を決め込むが、
今の螢は違った。







「おい、テメーら。

麗花を離しな」






螢は夢でも
麗花のこととなると
我を忘れ、

鬼のような形相で
相手を睨んだ。






そんな相手だが

麗花の顔に気を取られ
再び濃い霧に覆われ、

その顔は
全く見えなくなって
しまっていた

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