夢デアエタラ
【現夢三回目ー3】


螢は違和感を感じつつも
話を続けようとした。







「…ここは………

………。

イヤ何でもない…
迷惑をかけたな…」






焦らなくてもいい。


その内
この夢が
何か分かるだろう。






そう思い、
螢はその場を
後にしようとする。






それを老人が引き止めた







「待ちなされ。
まだ礼を言っとらん。

この里の長として
助けてくれたことを
心から感謝いたしますぞ」







里の長?


ってことはコイツが
長老か…



なら
何か分かるかもしれない







パッと振り向くと
螢は再び話を開始した。








「…ここは日本か…?
モヤも凄いし
里の名前は何て名前だ?」







「日本……?
なにかね日本ってのは?

モヤは晴れることなど
皆無に等しい。

それに、
この里に名前など
ありませんぞ」







「日本語話してるのに
日本を知らない??
じゃあ
ここはどこなんだ?」







「……旅の方。
言葉は言葉ですぞ。

それに、ここはここ。

それ以外何もないですぞ」







長老の話には

妙に納得する
言葉の重みがあった。







仕方がない…

これ以上は聞いても、
無駄であろうな…







「ちょっと失礼…」






螢は長老をどかし、
サハラ一族の死骸の前に
立った。







そして、おもむろに…







パシャ!
パシャ!
パシャ!







その死骸を
自分の携帯に撮り残した
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