夢デアエタラ

【螢ー８】


そんな螢の性格を
担任の先生だけは
分かっていた。







「いくら相手がケンカを
ふっかけてきたからって
やり合う必要は
ないんだぞ？」







先生の言う事は
正しい。





螢は今まで上級生に
事あること
逆らっていたのだ。





自分自身もその事は
分かっている。

しかし、
ケンカは止められない。







そんな先生に対し、
螢は体を仰け反って
答えた。





「…だけど、
もう大丈夫だぜ

俺は三年になるんだし、
絡んでくる先輩は
いなくなる」







そう言うと、
里見先生は頭を抱えた。







「ハア…
そう言う問題じゃ
ないだろ。

まったく…

どうして
去年は大人しかった
お前が、
急にゴリラみたいに
乱暴になったのか…」






先生例え悪すぎ…







だけど、
その事自体は
的を得ていた。







螢はここ数ヶ月の間に、
前よりケンカの量が
増えていたのだ







そこには、
彼なりの
深い理由があった…