夢デアエタラ

【現夢三回目ー６】


「おお、アスマや。
来ないから
心配しとったぞ」







アスマと呼ばれた女性は

そのままサッと木から
飛び降り、
長老に話しかけた。






「遅くなっちゃった。
ごめんなさいね長」






フルフルと首を振り、
長老はニッコリと
微笑んだ。







「いや、ヤツらに
さらわれたかと思ってな

無事なら
それでいいんだよ」






そんな歯がゆい会話が、
余計に螢に苛立ちを
覚えさせた。







「オイオイオイオイ。

人に物ぶつけといて
挨拶ナシかよ？」







すると
パッと女は螢の方に
顔を上げ、
その姿をマジマジと見た







「長……この人が…？」







その質問に
長老は静かに頷くと
螢に向かい
手を招き寄せた。







「旅の方。

この女性が
サハラ一族の住処まで
お供するものですぞ」







そんな事を言うものの、
螢はあまり
良い顔をしない。







どうやら
気にくわないようだ