レンズのスガオ


「おはよ!」

「おはよ、みぃ。」

「ねぇ、今日の古文の課題、写させてー!!ぜんっぜん分かんなくてさぁ。」

「古文?良いよー」

昨日喫茶店でけんとと2人でやった課題を出した。
けんと、文系はダメなんだよね。理系は超得意だけど。
課題やり始めて二分後にはもうすでに私にきいてきたからなぁ…。

「みぃ?」

「うん?」

私の課題のプリントと自分のほぼ真っ白なプリントに目を行ったり来たりさせながら、みぃは返事をした。シャーペンは動いたままだ。

「けんと、と…その、日曜日出かけることになった。」

「へぇ、デート?今まで行ってなかったんだね?」

みぃの返事にイヤミは1%も含まれておらず、至って普通だった。

「その、それでさ、私男の子と出かけれるような服とか持ってなくて…。」

「そんなんだ?じゃあ、彩とかも誘って今日でも買いに行こっか?」

「う、うん!お願い!」

「はーい。彩には後で言っとこ!」

みぃは一度もシャーペンを置かなかった。
そんなに日常的だったかな、私とけんとがデートに行くってこと。
『へぇ!!!』位言われることを想像してたけど。
今まで行ってなかったんだね?とか言われたしなぁ。
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