レンズのスガオ
「あ、あそこのお店可愛くない?」
「んー、でも高いよぅ?」
「彩、もうちょい安カワな店知ってるよ?行ってみない?こっから近いよ。」
「じゃあ、そこ行く。」
女子三人、きゃっきゃとはしゃぎつつ、街をぶらぶら。
彩はこのショッピングに快くついてきてくれた。
「どんな服が欲しいの?」
「ん~、女の子らしくて、普通にデート出来る服?」
「そっか、詩唯の私服って、ちょっとカジュアルでカッコイイ系だもんね。」
そう。
“私”の私服にピンクのワンピースや白いブラウスなどはない。
たいてい、スキニージーンズにカーディガンとか、そんなもん。
すみれは…別だけど。
「わぁ、可愛いお店だね!」
五分ほど歩いたところに、彩の言うお店はあった。
確かに、置いてある服はみんな可愛い。可愛いんだけど、全くぶりぶりじゃないっていうか、もっとナチュラル。
「えと。」
何気にチェックした、クリーム色のワンピース。
値段も安価。良かった。
最近、金欠だし…。