レンズのスガオ
少しややこしいけど、私は、彼氏の母親の加害者の親族(?)にあたってしまうことになる。
つまり、けんとのお母さんは、私の父親のせいで刑務所に入っていたわけで。
私のお父さんは、けんとの母親のせい(実質『せい』って言い方は、全く正しくないけれど)で刑務所に入った。
けんとのお母さんの無実が証明されたことは、正直、喜びたい。
だって、けんとが私にお母さんの話をした時の顔を見てしまったから。
あの、虚しい感情がこもった、悲しい表情。
そのことを考えると、今、けんとはとても喜んでいるって、わかる。
だけど………
さすがに、自分が唯一認めた父親が刑務所行きっていうのは辛い。
今、自分が、何でここまで冷静でいられるのかは、全く分からない。