レンズのスガオ

「おはよ！」

「おはよぉー」

うぅ～～、あのオヤジのせいで今日はなんか下腹部がイタイ。
「詩唯？お腹イタイの？」
お腹をさすっていると、彩が来てくれた。
「うん、ちょっとだけ。」
「生理痛？大丈夫？」
「うん、たまにちょっと重くて。でも大丈夫、薬も飲んできたし。」

それでも、一時限目は何だか集中出来なくて…

「あれぇ、何か今の良く理解出来なかったんだけどなぁ？」
「珍しいね、詩唯があんま分かんないって。」
「うぅーん、この問題解けナイ。。」
「ごめん、彩達が上手く教えられれば……でも、ぶっちゃけ、彩もあんま理解出来てにゃい。」
「あ、じゃあ、関沢くんにきいてみたら？！超頭良いらいし！」
「関沢くん？」
「あ、ちょっと関沢くん？？詩唯がこの問題よく分からないらしくって。どうしても今のうちに理解しておきたいんだって。教えてあげて？」
「あ、良いよ。佐藤さん？」
「はーい、よろしくお願いします！」

関沢くんが隣に来た。
一つ一つ丁寧に説明してくれる。

「ここまでは分かる？」
「うん。」

図にしてくれたら、案外すーっと頭に入っていった。

「あ、そっか！！ここがこうなるから、答えがこうなるんだね！ありがとう！！」

「どういたいしまして。そうそう。気になっていたんだけど、佐藤さんの下の名前ってなんて読むの？あんまり無い名前だよね」

「ん？そのまま“しい”って読むの。あだ名じゃなくて、本名なんだ」
「え、そうなんだ！ごめん、ずっとあだ名だと思っていた。」

初めてまともに話した関沢くんは、何だか初めて話した感じが全然しなかった。