レンズのスガオ
「詩唯!昼、一緒に食っても良い?」
「えっ、あ、良いよ……。」
「休み時間、ずっと寝てんじゃん。早退すれば?」
「んー、大丈夫、」
お弁当の包みをほどきながら言った。
けんとは大抵、コンビニおにぎりとか、パンとか。購買は混んでて買えないから、いっつもコンビニで買うらしい。
「ホントに熱、ないの?なんか顔赤いけど。」
「んー。」
「保健室、行く?」
「んー…。」
「詩唯!!さっきから、んーしか言ってないぞ?」
「けんと…。」
どうしよう。
このまま、まともにけんとと話をしていたら、涙線がゆるんでしまいそうだ。
「保健室、行く……。」