桜が咲く日に



6月、まだ陽向の席は僕の横

僕は時々消しゴム借りるんだ

「消しゴム貸してくれへん?」

こんなこと言う僕に
授業に集中しているにも関わらず
いつも優しく笑ってくれる陽向は

「うんいいよ、はい」

と天使の様な笑顔で僕の机に
自分の消しゴムを置く

時間が止まればいいと思うほど愛しい

でも本当は消しゴムなんて
自分の筆箱に入ってるし
シャーペンの上の部分にだって
消しゴムくらい付いてる

ただ、君と関わりたくて
喋りたくて笑顔が見たくて
嘘付いてるだけなんだ

ごめんね、授業の邪魔して



< 2 / 9 >

この作品をシェア

pagetop