桜が咲く日に



9月、席替えがあって
陽向は僕の前の席になった

運命なのか偶然なのか分らないが
君の近くに居れることが一番の幸せ

「海藤(カイトウ)君、また近くやね!」

そんな笑顔で話しかけ
られたら期待するよ?

そう思いつつも僕はいつもの
トーンで素っ気なくなる

「そうやな。あっあと、大地(ダイチ)
って呼んでや。海藤君って嫌や」

これだけは本当に気にかかっていた

海藤君って..なんか他人行儀やん

陽向からしたら僕なんてどうでもいい
存在なのかもしれないけど、さ..

「分かった。んじゃ大地..君?」

少し首を傾げる姿に思わず
ドキッとしてしまう

君付けか..

まあ許してあげる

今は君にとって僕は所詮
どうでもいい他人だもんね

「「..今、は」」



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