同じ空の下で
わけのわからないまま、俯く。
ふと顔を上げると響歌がいた。
「響歌…?」
響歌に間違いない。
一人で携帯をいじっている。
そっと近づいて響歌を見つめた。
「なんですか?」
響歌が喋れてる。って事は耳も聞こえてんのか?
響歌が目の前にいる。
死んだはずの響歌が目の前にいる。
こんな声してたんだな。
可愛らしい声。想像してた通りだ。
「あの道がわからなくて…」
「………」
響歌はなにも言わず俺を見つめる。
「あの道が知りたいんですけど…」
「あ、はい。すいません。どこに行きたいんですか?」
「服が欲しいんですけど…」
「ならあそこのお店がオススメですよ」
道を聞くより、オススメの場所になってしまった。