トーキョークラブ
滝川さんは、すごく素敵な男性で。
年齢は2つしか変わらないのに、ワタシよりもずっと大人だ。
話し方も、仕草も、笑顔も、すべてがワタシの胸を締め付ける。
車の運転をする滝川さんと話しながら、窓の外を流れていく夜の街の景色を見て、ワタシは胸に手を当てた。
「姫乃さんって、本名なんですか?」
「えっ?」
赤信号で停車すると、滝川さんはワタシの顔を見てそう尋ねた。
「…いえ、本名は友理奈です」
「友理奈?うん、似合ってるねその名前」
「そうですか?そんなこと、初めて言われました」
ちょっと照れながら下を向くと、青信号になって発車したと同時に、滝川さんはクスッと笑った。