トーキョークラブ





「あのさ、これから2人でいる時は敬語で話すのやめない?」



滝川さんがそう言ったので、ワタシは目を丸くして彼の横顔を見つめた。



「それと…友理奈って呼んでも、いいかな?」




照れ臭そうに、髪の毛をくしゃっとしてワタシのことをちらりと見た。



ワタシはますます、照れてしまう。


どうしようもないくらいキュンとして、ワタシは微笑みながら、大きく頭を縦に振った。




それから、ワタシたちは色んな話をして、いっぱい笑って、ちょっとだけ距離を縮めることができた。


車の中に2人きりだなんて、恥ずかしくて緊張する。



だけど、滝川さんの優しさと楽しい話でワタシは楽でいられたし、心を開けた気がした。




やっぱり、好きだ。


滝川さんのこと。






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