トーキョークラブ





「オープンは4日後よ!その日まで、このハサミにも慣れておいてね」





私は、抑えきれない喜びを、どう表したらいいのか分からなかった。


とにかく真理子さんに頭を下げて、戴いたハサミをぎゅっと握りしめ、私はお台場の店長に電話を入れた。




店長は自分のことのように喜んでくれて、オープン初日にはお祝いに行くと言ってくれた。



「愛ちゃん、明日はお店に来れるよね?」


電話越しの店長は
何故か声をひそめる。



「はい…行けますけど…」


「みんなにしっかり、挨拶するのよ。そして見返してやりなさい。愛ちゃんに対するスタッフの態度を改善できなかったことは、本当に申し訳ないと思っているわ」


「い、いえ、店長は悪くないです!こうして真理子さんに紹介して頂いただけで、充分です」




店長は、何度も私に「ごめんね」と謝った。





< 115 / 176 >

この作品をシェア

pagetop