トーキョークラブ




確かに、先輩たちから私は邪魔者扱いをされ、いじめられた時には何も気付いていない店長に疑問を持った。



店長は見てみぬふりをしているのではないかと、私はいつも思っていた。





本気で、死のうとも思った。





だけど今は、店長に感謝している。


私が夢に一歩近づけるチャンスをくれたのは、店長だ。



東京の美容師になる。




両親に猛反対され、しかしそれを押し切って上京してからもう何度も苦痛を味わい、東京という街をも憎んだ。


誰も、私を応援してくれなかった。





私は見返してやろうと思った。


このチャンスを味方にして、絶対に東京で成功してやる。






店長との電話を終えた私は
何故か溢れ出る涙を止めることが、なかなかできなかった。



そんな私を、真理子さんと弘瀬さんは何も言わずにそっとしておいてくれた。




ずっと、日が暮れるまで……。






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