トーキョークラブ




────事務所の前に着くと、そこにはもうメンバー全員とスタジオのスタッフ、世話係の山池さんらが立っていた。



あたしは笑顔で挨拶をしながら、小走りでメンバーの元へ向かった。




「おはよう、響子」


メンバーやスタッフから次々に笑顔を向けられ、あたしは小ぶりなワゴンに自分のベースを2本載せる。




「響子ちゃんはこれから男だらけの毎日になるねぇ。おまえら、唯一のレディに変なことすんなよ!」


ケラケラと笑いながら、山池さんが洋介の脇腹を小突く。



「大丈夫っすよ。響子に手出したら、何されるか…」


「ちょっと、潤!それどういうことよ?」


洋介の隣で笑う潤をあたしは睨んで、みんながどっと笑ったところで出発の時間となった。





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