トーキョークラブ
「なんか…。緊張する」
オレの部屋でおどおどしながらソファーに腰を下ろした望美は、周りをきょろきょろと見回している。
品川に佇むタワーマンションの10階にあるオレの部屋は、家賃が結構高いのだが、広くて防音設備が整っているためオレはわりと気に入っていた。
そういえば、女を入れたのは初めてだ。
「何か飲む?」
そう言いながら冷蔵庫を開けたが、中には缶ビールしかない。
「…って言っても、酒しかないんだけど」
オレがそう言うと、望美は小さく笑って「大丈夫」と返した。
オレは1本だけ缶ビールを取り出すと、勢いよくタブを押し開けて喉に流した。そして望美の隣に座る。