トーキョークラブ





すると、オレのそんな言葉に対してか、早くも缶チューハイを飲み干した道也は挑発的な笑みを浮かべた。



「まあまあ。仕事はじっくり語ってからでもいいじゃないっすか。秋の夜長は焦らなくても逃げませんよ、先輩」



道也は整えられたあごヒゲを擦りながら、ニヤリと笑う。




「…なんだよ、それ。おまえ何かオレに言いたいことでもあんの?」


パソコンの画面にオレは目を移して、ふくみ笑いをした。



道也がオレにデカイ口を叩くなんて面白すぎる。一体何を言うつもりだ?




オレはイスを回転させ
道也に目を合わせながら、缶ビールを二口飲んだ。






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