トーキョークラブ





深夜0時ちょうど。



もっともクラブ内が盛り上がるこの時間に、オレはDJ RYOとしてディスクを回す。


気持ち良いほどの歓声と熱気は、この世で一番好きである。


オレはウォッカを飲んで
鳥肌を立てながら、客をあおった。








「リョウ、今日も最高だったよ!さすが、DJ RYOは違うわね」


「うるせーよ」




深夜2時。

知らないDJの音楽を聴きながら酒を飲んでいると
美希がやって来た。




美希は109の店員で
今遊んでいる女の1人だ。



我ながら相当調子に乗っているとは思うが、向こうから口説いて来るなら、オレは拒むことはない。


女だって、遊びでオレに寄生するからだ。





気づけば



本気の恋なんて
いつしたのか覚えていない。


いや、未だにしていない気がする。







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