トーキョークラブ
オレは、何だか嫌な予感がした。
道也はそんなオレに気付いているのか、余裕綽々としている様子だ。
「道也、オレ、おまえが言ってる意味が分かんねぇんだけど」
短いため息をついて目線を床に落とすと、道也は軽く咳払いをして口を開いた。
「俺、美希ってヤツと交換条件を契約したんすよ」
「は?」
「だから、交換条件!なんか俺も昨日はむしゃくしゃしてたんで、じゃあヤらせてもらう代わりに妹探してやるよって言ったんすよ。そしたらあの女、すぐに股開きましたよ」
面白そうに笑う道也は、イスの背にもたれながら背伸びをする。
オレはそんな道也を睨みつけた。
「俺、知ってますよ?この前クラブのバーで泣いてた子。リョウさんお持ち帰りしたでしょ」
胸糞が悪い気分だった。