トーキョークラブ
ワタシは、鳴り止まない心臓の音を掻き消すように胸に熱いシャワーを当てた。
ドクン、と高鳴る鼓動。
ワタシはいま滝川さんと2人きりで都内のホテルに居る。
2人きりの、夜。
ワタシはぎゅっと目をつむって、いつもより熱いシャワーに体を委ねた。
「……友理奈、緊張してる?」
バスローブだけに包まれたワタシは、滝川さんの目をはっきりと見れないままに小さくうなずいた。
こんなこと、初めてだから。
ものすごく緊張しているし
正直、怖い。
そんなワタシに感づいたのか、滝川さんはそっと寄ってきて優しく髪を撫でた。
これだけでも顔が熱くなる。
「好きだよ、友理奈」
大切に、包み込むようにワタシにキスをした滝川さんに、もう一度キスを返した。