トーキョークラブ
「私ね、今度表参道の美容室で……」
私が弘人に
そう言いかけたときだった。
弘人は私の口をふさぐようにキスをして、激しく体を求めてきた。
「ひっ…弘人……?」
「愛、何も言わないで」
弘人は私の服を荒く脱がせ始めると、急に抱きかかえられ、ベッドへと倒された。
この時、私にはまだ分からなかった。
弘人は異常なまでにも
私の体を求め、私もそれに応えた。
どうしてかは分からなかった。
「愛してる…」
吐息混じりの弘人の声に、私は胸が熱くなるのを感じた。
今までは愛がないように聞こえていた“愛”という名前も、弘人が耳元で囁いたらいつもとは何かが違うような気がした。
馬鹿みたいに、何度も何度も、私は弘人の名前を呼んだ。