トーキョークラブ
虫の鳴き声が騒がしくなり始めた秋の夜、俺は恵比寿の居酒屋でサークルのみんなと飲み会をしていた。
総合芸術グループのメンバーの内、7人が集まったのでかなり盛り上がっている。
12月中旬に、また5日間のグループ展を開くことが決まったのだ。
クリスマスシーズンということで、次のテーマは“光”に決定した。
およそ2か月の間に作品を創るというのは大変だが、大好きなサークルのグループ展というのだから力は入る。
みんな、すでに創作意欲は万全だ。
「まぁ、シーズン的にはすごく創りやすいよね。テーマもいいし」
小坂はハイボールを飲みながらそうつぶやき、何やら携帯電話を器用に創作している。
「ただ、映像グループとコラボでもしないとパンクしちゃうな。1人で2か月は、ちょっとしんどい」
「なんで?俺はまぁ、できるけど?」
グイグイとハイボールを飲む小坂は、片眉を上げて俺のことを横目で見た。