トーキョークラブ
「こんばんは、THE EIGHTYsです」
洋介のセクシーな声での挨拶に、観客の歓声でライブハウスが揺れた。
その直後、潤の攻撃的なギターリフと共に響くバスドラムの爆音。
あたしは快感に浸りながら、ベースのアルペジオをゴリゴリと鳴らしていく。それに乗せる洋介のシャウト。
オルタナティブ。
あたしは次々と展開していく照明の演出に目を眩ませながら、目の前で笑顔で拳を上げて楽しむオーディエンスを煽る。
楽しい。快感。
体中に電気が流れていくみたいに、あたしはベースを弾きながらその痺れを楽しむ。
こうして、あたしたちTHE EIGHTYsの初ワンマンツアーの幕は開いた。
そしてめくるめくように
各地でのライブを成功させていった。
地方のライブでも、インディーズバンドであるTHE EIGHTYsのことを応援してくれているファンのおかげで大盛況だった。