トーキョークラブ
「あ、ここに居たんだ」
ライブハウスの入口から伸びる階段を下りながら、2人に目を合わせる。
「もしかして、みんなもう昼飯行くって?」
「え?あー、うん、たぶん。あたしは2人がいないから探してただけ」
あたしがそう言うと、洋介は階段脇の灰皿で煙草をねじって、火を消した。
「トイレ行ってくる」
それからすぐに洋介はあたしのことを少し見て、あくびをしながらライブハウスへと戻ってしまった。
潤は、2本目の煙草に火を着けた。
「……何話してたの?」
「あぁ、うん」
潤の足元にあたしはしゃがんで、THE EIGHTYsとシェルターズの移動車を避けていく通行車を見つめた。
「ご心配なさらず。ちゃんと俺達、仲直りしたからさ」
そう言いながらあたしの隣にしゃがんだ潤は、煙を吐きながら微笑んだ。