トーキョークラブ
私の、本当の夢。
それはモデルの頂点に立つとか、女優デビューするとか、最近の売れっ子モデルが歩んでいく道に沿うことではなくて。
小学生の頃から憧れていた
ファッションデザイナーになること。
裁縫もデザインも好きで、ワタシは服飾系の大学に進学したのだ。
ワタシは本気で
デザイナーを目指すために、ここ東京へとやって来たのであった。
そんなワタシに、コラボレーショングッズの仕事が、今人気のブランド、CAREから来るだなんて…。
夢のまた夢のような話。
だけど、きっとこれは、神様が与えてくれたチャンス。
夢うつつにしていないで、この大きな一歩のためにワタシは
チャンスを逃さぬよう努力しなければ!
「今井さん、ぜひその話承けさせてください!」
「そうね。そうこなくっちゃ、姫乃ちゃん。期待してるからね」
「はい!」
ワタシ、モデルの仕事やっていて
本当に本当によかった。
そう心の中でもにやけながら、ビビッドなピンヒールを鳴らし、小走りでスタジオを後にした。