トーキョークラブ
六本木ヒルズ前のルート319。
滝川さんが手配してくれたタクシーが、もうすでに路肩に止まっていた。
「それじゃあ、これからよろしくお願いします!」
「はい、よろしくお願いします。ワタシ、がんばりますね!もうmihiroさんから課題も出てるし…」
滝川さんが、目を細めて笑う。
ワタシも笑顔で頭を下げて、タクシーに乗り込んだとき。
「これ、俺の番号です。よかったら…いつでも連絡して下さい」
耳元でそう囁かれながら、ワタシは滝川さんから、携帯の電話番号とメールアドレスが書かれた紙を受け取った。
一気に火照った、ワタシの頬。
心臓がドキッと跳ねたのは
言うまでもない。
気付けば、呆然とするワタシを乗せたタクシーは、ギラギラと光を放つ、東京のビル群へと向かっていた。