トーキョークラブ
『私は、東京で美容師になる!』
21歳の冬。
私は両親の反対を押し切って、四国の田舎から単身、上京した。
小さな町の、小さな美容室の一人娘として生まれた私。
幼い頃からの夢である
美容師になるため、高校卒業後は大阪の美容学校に入学。
それから実家の美容室を継ぐために、大阪から戻ったけれど。
そんなの、何かが違う気がした。
流行が目まぐるしく回る東京で、自分の力を試してみたくなって。
両親からは何度も反対され、何度もケンカしたけれど、それでも気持ちは変わらず、上京することのみだった。
そこまでして、東京へ来た私。
だけど現実は厳しいもので、地方の美容学校出身の私を雇ってくれる美容室は、あまり見つからなかった。
コンビニのバイトで生計を立て、それからしばらく経った頃。
やっと雇ってくれた
お台場近くの美容室。
すごく楽しみに仕事を始めたけれど、そこでもまた、現実を突きつけられた。