トーキョークラブ
なんのひねりもない、殺風景な汐留のビジネスホテル。
弘人に教えられた部屋へと
私は足早に向かう。
彼と会うのは、2週間ぶりだ。
「愛、待ってたよ」
部屋のドアをノックするやいなや、弘人は笑顔で私を出迎え、返事をする前に口をキスでふさいだ。
「ちょっ…ちょっと待って。シャワー浴びてくる」
早速私をベッドに倒した弘人を避け、シャワールームへと閉じこもった。
弘人とのこの関係が始まったのは、出会い系サイトがキッカケ。
上京前から付き合っていた地元の彼との遠距離恋愛が上手くいかなくて、投げやりになっていた頃だ。
興味本意で登録した出会い系サイトで、私は弘人に出会った。
初めは、サクラではないかと疑っていたのだが、メールのやりとりを経て直接対面をしたらそんな疑いはすぐに晴れた。