トーキョークラブ
あたしと潤の間には
しばらくの沈黙が流れはじめた。
インディーズバンドになって、ここまで人気が出るようになったのは他の誰でもなく、THE EIGHTYsの力だ。
ヴォーカルの洋平、ドラムの夕貴、ギターの潤、そしてベースのあたし。
高校時代に結成してから、あたしたちは4人で1つ、本気で音楽業界を目指し、上京までした。
メジャーデビューを信じて
ライブ活動も、CD作成も、何もかも全力を尽くしてきたのに。
メジャーに誘われたのは、潤だけ?
そんなの、理不尽だ。
そんなの、おかしすぎる。
気付けばあたしは
流れゆく大粒の涙を、止めることができなくなっていた。