トーキョークラブ





あたしと潤の間には
しばらくの沈黙が流れはじめた。





インディーズバンドになって、ここまで人気が出るようになったのは他の誰でもなく、THE EIGHTYsの力だ。



ヴォーカルの洋平、ドラムの夕貴、ギターの潤、そしてベースのあたし。


高校時代に結成してから、あたしたちは4人で1つ、本気で音楽業界を目指し、上京までした。




メジャーデビューを信じて
ライブ活動も、CD作成も、何もかも全力を尽くしてきたのに。



メジャーに誘われたのは、潤だけ?




そんなの、理不尽だ。
そんなの、おかしすぎる。







気付けばあたしは

流れゆく大粒の涙を、止めることができなくなっていた。







< 47 / 176 >

この作品をシェア

pagetop