トーキョークラブ
「響子、このあとどうする?シェルのみんなが飲みに行かないかって」
ライブハウスの看板のネオンが消えると同時に、ヴォーカルの洋平が
あたしの目を伺った。
0時をまわっていたが
近くのダンスクラブからは、トランスの音漏れがしている。
あたしは、唸った。
あたしには、同棲をしている年上の彼氏がいる。
彼の名前はハルカ。
下北沢と原宿に店を出している、milk spotというサロンで
美容師として働いている。
雑誌やテレビに出るほどの人気サロンで、芸能人の常連さえいる。
彼はそんなサロンの四天王のうちの1人で、いつも指名は絶えないという、原宿・下北沢では名の知れた美容師なのだ。