トーキョークラブ
「ねぇ、リョウには兄弟いる?」
ラブホテルで迎える、あの何とも言えない朝の雰囲気を数本の煙草でごまかす。
ベッドの上で
まだ裸のままでいる美希は、少しかすれた声でそう尋ねた。
「兄弟?そんなの、いねーよ」
「ふうん…。じゃあ、リョウには分からないか」
「なんだよ?」
「妹の存在がウザいって話。高2の妹がいるんだけど、マジで邪魔なの。早く死んでくれないかなって感じ」
美希は、ケラケラと笑いながら、オレから煙草を奪って煙をふかす。
「アイツ、生まれたときから心臓悪くて、入退院の繰り返しでさ。妹のせいで美希の給料まで治療代に当てられて。そろそろ限界なんだよねー」
「へぇ、苦労してんだなお前も」
「父親いないからさ、美希が体売って稼いでるわけ。ショップの仕事もしてるし。もはや、妹の奴隷みたいなもんよ」
そうして美希は
天井に舌打ちをして、笑った。