トーキョークラブ
テクノが鳴り響く中で、オレの抵抗なんざもろともせずに唇を重ねてくる彼女は、オレを壁へと押し寄せる。
Tシャツの中へ滑り込んできた手は、骨ばっていて冷たい。
「ねぇ、お願い。アタシのこと、買ってくれない?」
キスの合間に
彼女は瞳を潤ませてオレを見つめる。
童顔で、薄い唇は赤く、まだ涙ぐんでいる大きな目は化粧をしていなくても十分に、キラキラと光っていた。
「買うって、セックスってこと?金も欲しいなら、そこら辺のオヤジ誘えよ」
オレがそう言い放つと
彼女はうつむき、一歩下がった。
「そんなの、もうとっくに…嫌になるほどしてるよ。それでもアタシには必要なの。だから…抱いてほしい」
長いまつ毛で目を覆い
彼女は再び、唇を重ねた。
女が寄ってくるなら、オレは拒まない。
オレは自ら
彼女に舌を絡ませた。