トーキョークラブ
Richly Jewelの専属モデルになってから、ワタシにはたくさんの友達が、大学内にもできた。
だけどその半数は
ワタシがモデルであるという部分だけが好きで、寄ってきた人ばかり。
表面上だけの友達がほとんどだ。
「友理奈、いつも大変だね。あの子たちにくっつかれて」
「まぁ、しょうがないことだよね…。でもワタシはりっちゃんだけが頼りだよぉ」
講義が始まると
やっとワタシはRJガールたちに解放され、親友のりっちゃんと過ごせる。
キャンパスライフの中で、最も自分をさらけ出せる時間だ。
「そういえば、今日もCAREに行くんだって?」
りっちゃんが、ボールペンをくるくると回しながらワタシを見る。
「うん、そうなんだけど…。なんだか最近、ドキドキしちゃうのよ」
「ドキドキ?」
「そう。ほら、前にも話した、担当の滝川さん。なんか変に意識しちゃって…」
こう話している間もうるさくなる心臓に、ワタシは手を当ててため息をついた。