トーキョークラブ






初めて滝川さんに会ったあの日。




名刺を渡されただけでドキドキしてしまったワタシは、勇気を出して、彼にメールをしてみることにした。



彼はすぐに返事をくれて
ワタシはただそれだけでも嬉しかったのに、それからほぼ毎日、メール交換を続けてくれているのだ。



それから何度か、CAREの事務所に打ち合わせなどで行ったりもして、ワタシはどんどん、彼を意識するようになってしまった。






「だけど、一緒に仕事してる人を好きになっちゃうのって、なんか罪なような気がするんだよね」


「罪?そんなわけないじゃん」



りっちゃんは、回していたボールペンを止めて目を見開く。



「そうかなぁ…。でも、これじゃあ仕事に悪影響だよ」


「それは、そうかもね。だけど、オンオフ切り替えて仕事をすればいいのよ。それが大人の女じゃない?」





オンオフ切り替える。



確かにそれができればいいけど…ワタシ、できるかな?




すごく、不安だ。






< 68 / 176 >

この作品をシェア

pagetop