トーキョークラブ
「そうだ。今夜、空いてます?」
六本木ヒルズに駐車し、エンジンを切ったと同時に広がった静寂が
彼のその一言で、一気に消えた。
「……えっ?」
滝川さんを見ると、彼は微笑んでいて。
「夕飯、一緒に行かない?」
ワタシはその笑顔に惚れ、そして大きく首を縦に振った。
それからはなんだか仕事も手に付かなくて、mihiroさんとのデザインワークもずっと上の空だった。
気持ちを切り替えようと思っていたことも、事務所で仕事をしている滝川さんを見ると吹っ飛ぶようで。
気付けばワタシは
彼ばかりを見つめていた。