トーキョークラブ





この、東京という街に憧れと希望を抱いていた1年半前。




その間に私の夢は
ほぼ崩れかけ、自分の存在意義すら分からなくなってしまうほどになった。


東京の、ダークな部分。



今ではもう、東京に憧れも希望も抱いていないし、むしろ憎いほど。






だけど、そんな街で
どん底に落ちていた私の夢がまた、私の夢として輝き出すチャンスが与えられるなんて。



私は信じられなくて、それでも嬉しくて、涙ながらに店長へ頭を下げた。


何度も、何度も。






「愛ちゃんの夢、応援してるわ。あなたはスキルアップしてるのだから、自信を持ってチャレンジしなさい!」


「ありがとうございます…!」




店長に、掴まれた肩。


東京に来て初めて、こんなにも人の手が温かいことを私は知った。








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