トーキョークラブ
「もしかして、美容師希望の…」
「あっ、はい、そうです。紹介されて、来たんですが」
私がもごもごと言っている間に、彼はドアを開けて私を中へと促した。
まさか、この若い彼が
こんなにも大きなサロンを開いたのか、と疑問に思ったのも束の間。
スタイルの良い、美人な女性が店の奥からやって来た。
「あ!愛ちゃん、ね?高木さんから聞いてたわよ」
「は、はあ…」
彼女はせかせかと何かを準備しながら、私に笑顔を向ける。
「私、真理子。このサロンのオーナーよ。年齢は…あなたのお母さんくらいかしらね?」
クスクスと笑う真理子さんは、女優さんのように美しい。
私の母とは大違いだ。