トーキョークラブ





ただ、沈黙だけが流れて
とうとう誰も口を開かなくなってしまった。




あたしはため息をついて、長い髪をぐしゃぐしゃと掻きながら潤を見た。


潤もあたしの目を見て、肩を落とす。






どうしよう。



今までも何度かケンカをしたことはあったが、その原因はいつも、小学生のケンカのようなものだった。




しかし、今回は違う。





潤がバンドを抜けるか抜けないか。



THE EIGHTYsのバンド生命を懸けた、大きな問題の発生なのである。




あたしはこの濁った沈黙を
早く解きたいとばかり、心の中で考えていた。





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