高校生ママ
「荒井連」
荒井連だった。
「お前、
なんで泣いてる?」
「えっ?」
自分の頬に手をあると、
頬が少しぬれてた。
「あっ。」
やばい…。
また自覚なしに泣いてた。
「いじめられたのか?」
心配そうな顔をする連。
あたしってそんなふうに
見られてるのかなぁ。
「違う。」
あたしはこれ以上、関わってほしくなくて屋上を出た。
でもそのとき、
かすかに聞こえたんだ。
待てって言葉が。
だけど
聞こえないふりをした。