妄想小説(短編)
たぶん、これから会う人の前に出しても
恥ずかしくはない顔ではあるだろう。

僕は一応、10年前にはアイドルのよう
にちやほやされたこともあったのだ。

ストイック気取ってないで、あのころに
もっと女の子と仲良くしておけばよかっ
た。おっとこれは「邪念」か??(笑)

今日これから会う人は、もし僕が何か
邪念を帯びていたら、たぶん直感で読ん
でしまうと思う。

そしてその場は一応ニコニコと話はして
くれるだろうが、僕が今日提案すること
は後で断りを入れてくるかもしれない。

とはいえ、僕は今から会う女性に対して、
何か邪な思いをもったことは誓って無い。

その人は、僕が常々尊敬して、仰ぎ見て
いる人生の指針、「北極星」のような人
であり、

女優ではあるが、そういう類の(どういう
類の?笑)思いをもつ対象としてはふさ
わしくないと思っている。だいたい既婚
者だし。

というわけで、僕は今日は「好かれよう」
ではなくて「嫌われないようにしよう」
という方針で行こう、とその熱っぽい
頭で考えていた。

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